この企画は日本で働く経営者や官僚、知識人など様々な方々にブラザーナイトの学生がインタビューをし、多くの学生にその仕事について詳しく知ってもらい、社会人としての一歩目を思いっきり踏み出してもらおうという企画です。
今回のゲスト、元NHK会長：海老沢 勝二 様
PROFILE｜プロフィール
公益財団法人日本相撲協会評議員、一般財団法人世界少年野球推進財団理事、一般財団法人日本ウズベキスタン・シルクロード財団評議員長（会長）、一般社団法人日本外交協会理事、NPO法人日本グローバル・コミュニケーション・センター理事、NPO法人情熱の赤いバラ協会 常任講師、ブラザーナイト 初期提唱者
学生のみなさんへ
その前に学生の皆さんが将来的、日本世界を担う人たちを支援していこうとする高い理想、学生らしい将来を見越した企画を立て、この様な機会を与えていただきまして心から感謝したします。どうか皆さん未来の良い若者たちを育てられる様頑張ってください！
NHK入社までの経緯
私はNHK会長を7年半努めさせていただきましたが、そこまで行くまでの道のり、私、海老沢勝二がどの様に生まれ育ってきたか、そういった背景をきちんとしておかないと、何故HNK会長になったのかなど、なかなか理解できない思いますので一言申しておきます。
世界には人類、70数億人いますが、それぞれの人達が個性を持って、考えを持って生活をしているのですが、我々も一人では生きていけないし、いろんな人たちの助け合いや思いやりの中で育ってきた、その人の生まれた気候風土、環境に左右されて一人前になり将来引き継いでいく事になると思いますけど、その人たちその人がどの様な環境で周りの人たち支えられて生かされてきたかを説明しなくてはいけないと思います。
私は茨城県の片田舎で生まれ育ってきたのですが、我々の地域には、常陸国風土記（ひたちのくにふどき）ものかありまして、それによりますと我が地域は非常に物産に恵まれた特有の国、非常に生活に恵まれた住み易い土地柄、気候風土に恵まれたところに育ってきました。
それが段々と科学技術の進歩で色々変わってきましたけど、そういう田舎で生まれ育ってきたので、人間はどこでどの様にして生まれ育ったのかが基本ですので、それをお話しするとその人の人格なり、人柄なりがわかると思っています。
私は、昭和９年、1934年、生まれで84歳になりますけども、84年前はちょうど日本が軍部中心の時代で、父親や身内の男性は徴兵制で軍人になり、母親、祖母など女の人の中で育ってきたわけです。その中で昭和の初めですから軍人中心お生活、教育を受けてきたわけです。
それが昭和20年8月15日の終戦によってガラッと一変したんですね。これまでの国家主義の苦しい時代から、アメリカ的な民主主義に変わって生活が一変したわげですね。ですから価値観も全て変わった、私たちは小学校5年生一学期くらいに終戦して二学期になると180度展開して今度は民主主義になって「暴力はいかん」という時代になってきて、それでも人間そう変わるものではないので、今でも子供の虐待や、詐欺事件など色々弱いものいじめ等の事件は多いんですが、これも人間ですので100％は無くならないですね。私たちは時代の節目に育ってきたので世の中が不信感、疑問が出てきますね、私たちは学制改革がありこれまでの教育と全く違ったものになって、教科書も歴史の部分など黒塗りだったり、そういう教育を受けてきたのです。
学生の皆さんと時代の背景も生き方も違うわけですから、その人がどういう時代に生まれてきたのかで考え方も変わりますね。
当時、小学校から、中学になり、高校の時に各県単位の受験生になりまして、千葉県澤田高校に行く予定だったのですが、従兄弟が東京に来てはどうかと誘いがあったのでどこの学校が良いのか？わからなかったのですが、早稲田旧制高校がレベルが高いと聞き受験してみたらば、受かったので花の大江戸に下宿して通って勉強したんです。
大学入学か昭和28年、ちょうど朝鮮戦争があった時で、卒業が32年、まだまだ終戦していない頃で当時、政界も、財界も一変し体制が変わった時代で、ちょうどNHKが昭和28年にテレビ放送し始めた時で、これからの時代はテレビになるだろうという予感のもと、それと同時に民間もテレビ放送し始め、まだ当時は新聞が強かった時代で、就職は新聞も考えたのですが、NHKに受かったのでこれからの新しいラジオ、テレビの世界に入って仕事してみよう思い入社ました。
