「就活生(社会人)になったら日経新聞くらい読まないと」

タイトルにもあるような義務感から、わからないまま惰性で読み続けている学生も多い日経新聞。しかし、ビジネスに必要なスキルを磨くことができる優れたテキストであることも間違いありません。
日経新聞を読む難しさは、記事の数字がビジネスを理解している人向けに書かれていることにあります。その壁を突破するために、ビジネス数字を考えることが苦手な人はまず、数字の意味が実感覚でわかるところから始めていくことが必要です。

日本経済ってそんなに大変なの!?

日経新聞には、大きく分けて二つの数字が書かれています。日本全体の経済数字と、各企業の業績数字です。そして日本全体の経済数字はとりわけGDPという指標が重要です。

現在の日本のGDPは約554兆円です。GDPの詳しい説明は次回のテーマになりますが、ここではGDPとは企業における粗利(売上-原価)と同じものだと思ってください。この数字から沢山のことがわかります。

例えば、日本人の平均年収についてです。人件費は粗利の中から出てくるものなので、GDPを日本の人口で割れば求められます。
554(兆) ÷ 約1(億)3,000(万)= 426(万)  (日本の総人口1億3,000万人のとした場合)

GDPという巨大な数字でも、このように一人当たりに直していくと生活に直結する数字であることがわかります。なぜ政府がGDP成長率にこだわるのか、という政治的な話題にも対応できるようになるはずです。

企業の良し悪しは、数字から判断できる

企業の業績数字 についても、同じやり方で理解することができます。
例えば、日本を代表する企業であるTOYOTAの業績を見てみましょう。

「従業員36万4,445人をかかえるトヨタ自動車の売上高は28兆4,031億、営業利益は2兆8,539億」(2016年度決算報告書の一部)

さて、数字だけをみると確かにすごそうな業績ということはわかるけれど、内容はわかりづらいですよね。そこで一人当たりの数字に直してみましょう。

「従業員1人あたりのトヨタ自動車の売上高は7,793万円、営業利益は782万円」いかがでしょうか。この数字だとトヨタの社員が一人当たりの年間売り上げは、約8,000万円であることがわかります。

この感覚がわかれば自在に日経新聞の数字を考えていくことができます。
例えば業績数字がわかったなら、一人あたりの数字に直してみてから500人の会社だったらどうか、50,000人いる地域だったらどうか・・・と数字を倍数で考えていくのです。次第に企業の業績と国の経済がリンクし始めていく感覚がつかめることでしょう。

肌感覚で数字が分かれば、やるべきことが見えてくる

今回は、日経新聞の数字を肌感覚でわかるようにすることをテーマにしました。

数字が肌感覚でわかれば、日経新聞に書かれていることがより深く理解できるようになります。なぜ政府や行政はかくもGDPにこだわるのか。企業はなぜ利益率にこだわるのか。そういった社会的な事象が数字でわかるように、一つずつ理解を進めていきましょう。

京都大学:梅木優作投稿者:京都大学:梅木優作

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